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農大式土壌診断キット「みどりくん」の特長と使い方

5 「みどりくん」測定値の見方と結果に基づいた土壌改良

(1)pH(H2O)

 土壌の水懸濁液のpHを示し、土壌の酸性・中性・アルカリ性を判断する。
 一般に、植物の栽培に適するpH(H2O)は6.0〜6.5で、それより低ければ、苦土石灰(苦土カル)のような石灰資材を施用して酸性を改良する。
 pH(H2O)が6.5より高ければ、基本的に石灰資材を施用しないほうがよい。


(2)硝酸態窒素

 植物が生育するために最も重要な土壌養分であるが、硝酸態窒素が多すぎると、土壌の塩類濃度(EC)が高まったり、植物生育に障害を与えたりする。
 適正な硝酸態窒素量は植物の種類により異なるが、一般的には5kg/10a程度であるので、その付近を目安として、追肥の必要性を判断する。

(3)水溶性リン酸

 水溶性リン酸とは植物に容易に吸収されるリン酸である。「みどりくん」により5kg/10a以下の水溶性リン酸を測定することはできないので、リン酸が過剰と思われる畑やハウスで使用する。
 10kg/10a以上を示す場合には、リン酸過剰であるためリン酸施用量を削減する、あるいは思い切ってリン酸無施用とする。
 土壌のリン酸過剰はアブラナ科野菜根こぶ病やジャガイモそうか病などの土壌病害を助長するので注意する。


(4)水溶性カリウム

 植物に容易に吸収されるカリウムである。「みどりくん」により5kg/10a以下の水溶性カリウムは測定できないので、カリウムが過剰と思われる畑やハウスで使用する。
 10kg/10a以上を示す場合にはカリウム過剰であるため、カリウム施用量を削減する。
 カリウム過剰は土壌の塩基バランスを崩し、拮抗作用によるマグネシウム欠乏症などの原因となるので注意する。


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