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「土壌診断スコップ/ミズトール」の特長と使い方

4.土壌溶液による診断

 土壌診断での主な分析目的は、

1.作物作付け前……土壌改良資材と基肥量の設計
2.作付け期間中……追肥を施すかどうかの判断

である。
 1の場合、採取した土壌に水や塩類溶液、薄い酸などを加えて、抽出された養分量を分析する。
 2の場合、もう一つ別の方法として、土壌溶液による診断がある。



5.土壌溶液採取器具「ミズトール」

ミズトール〈畑地用〉
(大起理化工業株式会社)


 土壌溶液を採取できる器具が「ミズトール」という商品名で市販されている。このミズトールの使い方を紹介する。

「ミズトール」による土壌溶液の採取手順

 (1)
「ポーラスカップ」と呼ばれる直径18mm、長さ95mmの土壌溶液採取管を土壌中に差し込む。
 (2)
付属の塩化ビニール製チューブとプラスチック製シリンジ(注射器)をセットして、シリンジのシリンダーを引く。
 (3)
ポーラスカップ内の気圧が下がり、先端部の多孔質素焼管を通して、土壌中の養分を含んだ水(土壌溶液)がポーラスカップ内に集められる。
 (4)
それがチューブを通って50ml のシリンジ内に貯まる。

 採取した土壌溶液を使って、硝酸イオン濃度を測定する。
 なお、この土壌溶液を使ってpHや電気伝導率(EC)、そのほかの土壌養分を測ることもできる。ただし、通常の土壌抽出分析の値とは比べられないので注意を要する。
 「ミズトール」を使う際にはいくつかの注意点がある。次ページではその注意点を記載する。


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